ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal
 大学を卒業し、就職した先で出会った男が違法に活動する諜報員だった。

 紗矢子は罪悪感を感じつつもその男のものでありたいがために初めて詐欺という犯罪を犯した。


 けれど、一度犯した犯罪は自分の中に烙印を落とし、その罪を誤魔化すために罪を犯し続けた。


 紗矢子は自分が病気であると斎賀に言ったことがあるのを思い出した。


 罪を犯すことを止められない病気……。


 今思うと何故あの男に自分の全てを話したのだろうかと思う。


 こんな犯罪にまみれたどす黒い汚れた身体を全てを知った上で優しく愛でてくれた。



 紗矢子はその時感じた斎賀のぬくもりに無縁の至福を感じずにはいられなかった。



 このまま警察に連れて行かれればもう、一樹には会えない―――。
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