Fragile~思い出に変わるまで〜
美咲らしい冗談めいた口調を懐かしく思いながら、だんだん自分が怒っているのがばかばかしくなってきた。


「あのなぁ!……まあいっか

それよりさとみ明日も仕事だし、俺迎えに行くよ」


すっかり怒る気力をなくしてそう言うと、美咲はやんわりと断ってくる。


「あぁ、大丈夫!

私の服貸すし、明日はうちから出勤させるから」


当たり前のようにそう言った後、美咲は少し考えたように付け足して言った。


「たまにはさとみのいないベッドで一人寂しく寝なさい」


どういう意味だと聞こうと口を開きかけた瞬間、美咲に遮られた。


「じゃ!そういうことだから、ご心配なくぅ」


それだけさっさと言うと、ガチャっと切られてしまった。


――なんなんだ!いったい……


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