Fragile~思い出に変わるまで〜



リビングのカーテンを開けると日差しが眩しいほどに降り注いでくる。


雲一つない青空に、思わず両腕をあげて、ウーンと伸びをした。


こんなに気持ちがいい朝は久しぶりだな……


そう思いながら、もう一方では、こんな気持ちのいい天気の日曜日に、さとみではなく、藤森親子と出かけることに罪悪感を覚えた。


さとみは美咲の家に泊まった次の日の夜には、普通な顔をして俺を出迎えてくれていた。


だから美咲と何を話したのか、あえて聞かなかったし、さとみも俺になにも話してはこなかった。


ただ藤森親子と日曜に出掛けなくてはいけなくなったことだけは、早めに報告しておきたくて。


タイミングを見計らい、それとなくさとみに伝えた。


「そう……わかった」


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