Fragile~思い出に変わるまで〜
そしてクラス会前日の夜のこと。


「当日キャンセルになってもいいからって言われたから、とりあえず明日は行くつもりで仕事行ってくるよ」


そろそろ寝ようかと寝室のベッドに入ったとき、健がふいにそう言った。


やっぱり行くんだ……


そう思ったら、またあのドロドロとした感情が溢れ出しそうになる。


彼にわからないように小さく溜め息をついて、私はなるべく元気な声で明るく答える。


「そう、良かったじゃない!
久しぶりに楽しんできてね?」


うまく笑えてるだろうか?


健が私のこんな気持ちに気付かないくらいには……
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