Fragile~思い出に変わるまで〜
目を瞑るとさっきの光景が嫌でも浮かんでくる。


健の藤森さんを見る目は、すごく優しいものだった。


健のあんな顔、初めて見たかもしれない。


私に向けられるものとは明らかに違っていて、彼女がうらやましくなる。


片想いしてた頃みたいな気持ちが、なぜか今甦るのを感じた。


健の奥さんは私のはずなのに、なんでこんな気持ちになるんだろう?


藤森さんの背中を見送りながら、すごく切なそうな顔してた健を思い出して悲しくなる。


健はたぶん……もうすぐ終わってしまうだろう藤森さんとの関係を、きっと寂しく思ってるんだ。


でも私にもいつまでも心配かけちゃいけないって、その狭間で揺れてる。

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