Fragile~思い出に変わるまで〜
今後、藤森さん親子とはどう関わるのか……


今までまったく触れずに、臭いものに蓋をしていたことに、きちんと向き合おう。


そして、健がまた昔のように私を愛してくれたら……


その時は赤ちゃんのことをちゃんと伝えよう。


私はベッドに仰向けのまま、お腹の赤ちゃんに語りかける。


お腹をそっと撫でながら、いつの間にか気持ちが落ち着いてることに気づいた。


この子のことを考えてるだけで、嫌なことを忘れてる自分がいる。


目を瞑ると、世界に私と赤ちゃんの二人だけしかいないような気分になった。


それだけでとても穏やかな気持ちになって、私はそのまま眠りについた。


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