Fragile~思い出に変わるまで〜
もう少し遅かったら危なかったと告げられ、ホッと胸を撫で下ろす。


同時にやはり来て良かったと、自分の選択が正しかったことにも安堵した。


今夜はこのまま入院して、点滴治療することになりそうだ。


藤森はひなに付き添って病院に泊まることになった。


俺は帰ることにして、藤森に声をかける。


「じゃあ俺帰るから

ひなが無事で良かったな?

あとはよろしく」


ベッドの側でひなを心配そうに覗きこんでいた藤森が、俺の方に向き直った。


「ほんとに……ありがとう

健がいなかったら、私……

ひなを失ってたかもしれない

不安でどうしていいかわからなくて……

もう会わないって約束したのに、呼び出したりして……

ほんとにごめんなさい


でも……健がいてくれて良かった」


< 270 / 589 >

この作品をシェア

pagetop