Fragile~思い出に変わるまで〜
「うん……

最初は認めなかったんだけどね?

でもあれからまた彼女から連絡あって……

断れない自分に気がついたみたい

それじゃいつまで経っても変わらないしね?

自分のしてることが、私を傷つけるってことがやっとわかったみたいで、渋々離婚届けに判を押してくれた」


もうすっかり終わったことのように話す私に、美咲は驚いたように目を丸くした。


「いやー、意外だわ

あんなに好きだったのに、よく吹っ切れたね?

私はもっと健に縋り付いてでも、相手の女と切れさせるのかと思ってたよ」


美咲の言うとおり、昔ならそうしてたかもしれない。


泣いてすがって、未練がましく健の側にいたと思う。


少なくとも今みたいな選択はしないはずだ。


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