Fragile~思い出に変わるまで〜
お気に入りのペアカップの一つにホットミルクを注ぐと、湯気が顔にかかる。


その蒸気で顔の筋肉がふっと和らぐのを感じて、そとき初めて自分の顔がかなり強張っていたことに気がついた。


「あはっ……」


思わず苦笑した。


こんな顔で、健が帰ってくるの待ってたら、完璧引かれてしまう。


――こんなんじゃダメだ


鬱陶しいとか、面倒臭いとか、そんな風に思われたくはなかった。


必死に自分を奮い立たせて、ホットミルクを一気に飲み干す。


ちょっとだけ舌が火傷しそうになったけど、そんなの構わなかった。


カップをシンクに置いて、部屋に向かう。


今度は意地でも眠らなきゃ……


ベッドに入ると、ミルクで温まったからだが心地いい眠りを誘う。


いい夢が見られるといいな……


そんなことを考えながら、私はいつしか夢の中に落ちていった。

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