Fragile~思い出に変わるまで〜
「あぁ、あれからしばらくして、だいぶ元気になってましたよ?

前みたいにきちんと身だしなみも整ってきたし……

酒臭いこともなくなりましたね?」


それを聞いて、藤森さんが健の元に行ってくれたんだと確信した。


それと同時に今、健が藤森さんとひなちゃんの三人で暮らしているだろうことに嫉妬する。


自分でお願いしといて、こんな気持ちになるなんて……


でも健が元気で幸せならそれでいいって決めたのは私だ。


無言になってしまった私を心配したのか、桜井くんが遠慮がちに話しかけてくる。


「……大丈夫ですか?

家で……なにかあったんですか?」


やばい……気付かれちゃう。


私は慌てて元気なそぶりを見せて言った。


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