Fragile~思い出に変わるまで〜
自分が自立出来て自信がついたら、さとみに会いに行こう。


俺はそう決めていた。


そんな矢先の部長昇進だった。


少しは俺も認められるようになったんだろうか?


さとみに会いに行くための後押しをしてくれてるような錯覚になる。


まだ決心はつかない。


でも遠からず会いに行けるような気はしている。


もしどんな結果になったとしても、心が折れずに強くいられるように……


その時、彼女に家族があったなら、潔く諦めて前に進めるように……


自分の幸せよりも彼女の幸せを願える人間になろう。


さとみがかつてそうだったように、自分も少しでも彼女に近づけるよう頑張ろう。


いつかさとみに会える日まで、俺はそう誓っていた。

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