Fragile~思い出に変わるまで〜
ますます怪しい桜井の答えに、行く気をなくしてやんわり断った。


「いや……俺、今回は遠慮しとくわ……

仕事も忙しいし……

悪いな?」


そう言って立ち去ろうとすると、今まで余裕の笑みを浮かべていた桜井が慌てだした。


「え!?ちょっ!部長!

待ってくださいって!

俺……実は部長のために計画したんですよ?

最近仕事も忙しかったし、一人寂しい部長を楽しませてあげようと思って……」


俺は振り返り様に桜井を軽く睨むと、もう一度向き直った。


「お前は!一言多いんだよ!

ったく……で?俺のために企画してくれたって?

じゃあなんで誰と行くか内緒なんだよ」


桜井の言い方は別にして、俺のためにってところは素直に嬉しかった。


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