Fragile~思い出に変わるまで〜
出来ないってことは、まだ自分達には必要じゃないってことだ……って。


もしそれで出来なかったとしても、それはそれで二人で仲良くやっていけばいんだから……って。

子供がいないことで、離れて行ってしまうんじゃないかと不安に思っていたけれど……


健は、そんな私の心をすぐに軽くしてくれた。


そんな健だからこそ、私は10年経っても好きで仕方がないのかもしれない。


ふと手元に目をやると、チカチカと携帯が青く点滅していた。


ランチ後のコーヒーを飲みながら、携帯のディスプレイを開く。


【ごめん!
今日、帰りが遅くなりそう
夕飯はいらない
先に寝ちゃっていいから】


健からのメールに違和感を覚えた。


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