Fragile~思い出に変わるまで〜
あの晩、桜井と飲みに行った時、確かに桜井はさとみへの気持ちを俺にしつこく聞いてきた。


あれは桜井が今日の花見を計画するきっかけだったのかもしれない。


喉がカラカラになる。


はりつく唇をなんとかこじ開けて、俺は、ああ…としゃがれた声で答えた。


「だから……ですよ

俺的にはさとみさんを裏切って、他の人と結婚するようなやつに……

離婚したからって……ほんとは会わせたくなかったんだ」


桜井のやるせない気持ちがこちらまで伝わってくる。


「でも……俺が振られて……

この先さとみさん……ずっと一人で健太を育てていくのかと思ったら……

まださとみさんを思い続けてる部長と、よりを戻すのが一番いいんじゃないかって思って……」


桜井の声が震えていた。


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