Fragile～思い出に変わるまで〜

俺があまりにも固まっているので、一生懸命明るく話し掛けてくる。


俺はやっとの思いで口を開いた。


「いや、こっちこそうまく言葉をかけてやれなくてごめんな？

……それで、もう大丈夫なのか？」


労るようにそう聞いてみると、藤森が真剣な顔でこう言った。


「実はね？

健に相談ていうのは、ここからなんだけど……」


言いにくそうにしながらも、今度はしっかりとした口調をしている。


なんだろう……？


「話し合いのあった日に、必死に抵抗して……
私思わず好きな人がいるって言っちゃったの

それで……
相手は誰だってしつこく聞かれて……」


まさか……


「……健の名前、出しちゃったんだよね……」