Fragile~思い出に変わるまで〜
あきらめて、ベッド脇の照明ランプを点けると、サイドテーブルに置いてあった読みかけの小説を手に取った。


読んでいれば眠くなるかもしれない。


そんな期待も込めて、栞が挟んであった場所からゆっくりとページをめくっていく。


読みすすめていくうちに、逆にどんどん眠れなくなっていることに気づいた。


今まではなんとも思わなかった、むしろ面白いとさえ思っていた小説の内容は、夫に浮気された妻の話だったから……


余計に不安になり、私は頭を抱えた。


パタンと本を閉じてサイドテーブルに戻すと、ランプを消して横になる。


羊が1匹……羊が2匹……


こうなったらオーソドックスにいこう。


目を瞑って、ひたすら羊の数を数える。


羊が何百匹目かになったとき、私はようやく眠りにつくことが出来た。


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