夢喰い白黒猫

~夢喰い白黒猫side~

『面倒臭い。』

なぁんであんな男に
抱かれなきゃいけないんでしょう?

『仕事だからしょうがないけど…』

あたしはそう言いながら
ワープする。

……墓場へと。

「きたか…」

足音に反応した兄さん。

『兄さん…あと1人だよ?』

「そうか…。ありがとう。」

『えへへッ♪兄さんのためなら
 頑張っちゃうよ…?』

「悪いな…?」

『ん~ん。別に悪いのは
 兄さんじゃないじゃないか!』

「……だが…。」

まだなにか言いたげに
私を見る兄さん。

『だから、兄さんは心配性だなぁ~?』

「なんで?」

『私は人間の望みを叶えて、
 お代を貰ってるだけ。…そのお代を
 兄さんにあげてるだけじゃないか!
 ……ね?』

私がそう言うと
兄さんは「フッ…」と笑い……。

「そうだな?」

『それじゃ、仕事に戻るね?』

「あぁ。報告サンキュ!」

『Bai Bai♪』







~***~***~***~***~***~


今回の依頼主は「恋」の願いだった。

モテたい……。
そう言ったご主人様に、私はただ、
ご主人様がしていた眼鏡をはずしただけ。

元から顔付きがよかったため
髪の毛を少しカットして終わり。

それでも、人間の女達が寄って
こなければ……魔法を掛けてたと思う。


ま、いらない魔力を使わなくて
済んだからいいけど…


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