彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~

2・早坂桐、ご指名

◆ ◆ ◆

「失礼しましたー」

深々礼をしつつ、扉を閉める。
学校に着いて、とりあえず向かったのは職員室。
ほぼ初登校なわけだし、担任に挨拶を済ませたところだ。
ついでに担任から聞き出した、教室へ行く階段を目指していたところ、

「待って、早坂さん!」

思いがけず自分の名前を呼ばれた。
その方向を振り返ると、一人の生徒がこちらへ駆け寄ってくるところだった。
 
「早坂桐さん、だよね。職員室で、名前が聞こえたから……。体調、良くなったんだね!」

声をかけてきたのは、背が低くて華奢な女の子。

「あ、私、同じクラスの日野っていいます。これでも、クラス委員長やってるの。教室まで案内するよ」

ふたつに結った髪のを揺らし、目を細めて笑う。
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