彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~

3・VS

◆ ◆ ◆

「桐ちゃん!」

放課後、わたしが席を立つより早く鳴子が駆け寄ってきた。

「5時間目はじまっても戻ってこなかったから心配したよー! ……ここのとこ、ずっとごめんね」

「なに泣きそうになってるの。授業遅れたのは単なるわたしの不注意だし、それに、鳴子が謝ることじゃないでしょ」

それでもすまなそうにしている鳴子の肩を叩く。

「ね、鳴子、今日は委員会も部活もないんでしょ? だったら一緒に帰ろうよ」

鳴子は、笑って頷いてくれた。

そうして、ふたり連れ立って、昇降口への階段を降りていた時のこと。

「あれ? 桐ちゃん、今日かわいいバレッタ留めてたと思ったんだけど……取っちゃったの?」

はっとして後頭部に手をやると、髪に留めていたはずのバレッタが、ない。



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