彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~
◆Liar◆

1・あげる

それからの一か月は本当にあっと言う間で。

クラスや校内でのわたしへの態度は相変わらずだったけれど、『結束書の集団』とは冷戦状態。
廊下ですれ違うこともあったけど、睨まれるくらいなので、知らんフリを通していた。

鳴子とのお昼は、3回に1回くらいは一緒に食べられるようになった。
はじめて出し抜いた時は、ふたりでダッシュで逃げて、死ぬほど大笑いした。
あとで先生に、はしたないとこっぴどく叱られたのもいい思い出。

あの場所へは、ひとりのお昼の時にたまに寄っていた。
わたしの、校内で一番お気に入りの場所になりつつあった。
シキは居たり居なかったりだけど、会えばくだらないことを言い合って、笑ったり、怒ったり。

ゴールデンウイークは、まるまる実家に帰省していた。
葵もそうだったし、おばあちゃんは旅行へ出たので、あの洋館は連休中からっぽだったのだ。
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