彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~

2・わたしの罪と、罰

◆ ◆ ◆

ピアスは、失くさないようにハンカチに包んで、内ポケットへ忍ばせた。
誰にも見られてないかな、って少しドキドキした。

放課後――。

気分はまだ晴れなくて、ひとりで帰るのも都合いいかな、って思った。

校門をくぐると、なんだかいつもと雰囲気が違う。
何がっていうわけじゃないんだけど、帰宅の途につく生徒たちが、みんな、そわそわしているような。
と、思ったら、少し離れたところに、男子高等部の生徒の姿を見つけた。
男子高等部の入り口は敷地の逆側だし、めずらしいな、なんて考えながら素通りした。

「無視しないでよ、桐」

聞き覚えのある男子の声がして、振り返った。
レンガの塀にもたれかかり、腕を組んで立っていたのは。

< 92 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop