天を衝く槍


「前々から働きたいって言ってたもんね!!!おめでとっ」


「うー…嬉しすぎて涙が……あ、出ない」


「出ないのかよ!!!」


こんなことを大声で言っているものだから、他のクラスメイト達がウザそうな視線を私達に向ける。


ウザそうなっていうか、寧ろ白い目で見られることなんて、最早気にしたら負けだ。


私はそう思い、彼らの視線は気にしないことにした。


「いやー…しかし、こんなスゴイ人がこんな身近にいるとは……」


彼女は腕を組んでしみじみと言った。


Aliceという国際機関が創りだした対ウサギ組織に入るには、反射神経や運動神経がよくなければならない。


それにタフな体と精神力。


因みに、様々な言語を操れるのなら優遇されるらしい。


学校の教科で言うと、外国語と体育だけ。


……だと思う。


いや分かんないけど。


他の理科とか数学とか、何故か勉強しても赤点だったし。


要は勉強とかしてなくても、体力に自信があって武器を扱えるのであれば、誰でもAliceに入れるのだ。


……例えば、勉強のできない熱血筋肉バカとか。


将に私のことである。
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