天を衝く槍


窓の方に行って下の方を見るけど、生憎よく見えなかった。


それから私はTシャツにパーカーを羽織り、ジャージという女子力ゼロのスタイルに着替えて顔を洗いに洗面所に行く。


洗面所に行くと、ギルが寝惚け眼のまま櫛で髪を梳いていた。


「あ、おはようございます」


「……ん…」


彼の寝癖は酷かった。


髪を乾かさずに寝たのかな…。


なんて思うくらい、まるで鳥の巣のようだった。


「よっ」


顔を洗ってギルを観察していると、ジルがここにヒョッコリ顔を出す。


「おはようございます」


彼は既に身支度をしていて、緑と黒のボーダーのロンTに黒いスボンをはいていた。


そして私の格好を見るなり、


「うわ、それは無いわ……ファッションセンス無さすぎ」


とドン引きして言う。


「!!?」


まさかそんなことを言われると思っていなかった私は、目を見開いた。


……いや、たしかに尤もなことだけど。


「おいでおいで、俺の服貸すから」


彼はそう言い、手招きした。


なんということでしょう。


この展開。



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