天を衝く槍
17.告白
――月光歴218年4月15日


「うっわぁ…体脂肪率上がってるわ…」


「げ、筋肉量落ちとる…ッ」


「あ、伸びた」


季節は変わって春。


毎年恒例の健康診断の結果がきて、順にアル、ヨースケ、ジルが声を漏らした。


「つーか、お前25にもなってまだ伸びるんか。何処まで成長する気やねん。つる植物か」


「そこまで高くないわ!」


ヨースケがゲラゲラ笑い、ジルが反抗する。


そんな二人を放っておいて私はアルの方に目をやる。


体脂肪率がそんなに高かったのだろうか。


ものすごくショックを受けて、ゲッソリしている。


一方、シロさんはあまりよくない健康状態だったのだろうか。


湯呑に入ってあるお茶を飲み干し、イラついたように、だけどそれを悟られないように、テーブルの上に置いた。


細い切れ目は前髪で少し隠れ、どんな表情をしているのかはよく分からない。


「………………………」


そこで私は一つの疑念を抱く。


――…今までこんな感じだったっけ


気のせいか、前よりかなり痩せた気がする。


肌の色ももう少し白かったような気もする。


「………………………」


だけど本人が何も言わないのなら、それでいい。


私は余計な詮索を止めて、ジル達の会話に入った。
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