天を衝く槍


「歩きながら話そうか」


彼はそう言って足を進め、手元にある書類に目を通す。


彼はAliceの中で割と高い位にいて、ウサギを倒す部隊に指示する司令塔らしい。


「……えー…と、使うのは槍で本当にいい?」


目線を私に移して、彼は真剣な顔をした。


「はい」


一応、剣や銃とかの講義も受けて実践で扱ってみたけれど、槍が一番しっくりきたのだ。


因みに武器の講義を受けれるのは、Aliceからの合否通知が来てから。


一昔前までは馬鹿みたいに平和だったので、その状態を続けるようにと、国際機関とは異なる、世界の最高機関が全ての国に『警察、軍隊及びその類以外の人民が武器を使用、または保持することを禁じる』という命を下した。


その為、武器は限られた人にしか使用が認められないのだ。


外に出ると、車が何台か停めてあった。


「じゃぁ、僕らのことについて話そうか」



彼はそう言うと、一つの車のドアを開けて私に入るよう促した。




< 6 / 294 >

この作品をシェア

pagetop