天を衝く槍


「去年のは去年のだろー?」


アルが口を尖らせて言う。


どうやらジルにそんなことを言われたのが少しショックだったらしい。


「今回はうまくできたんだって!ね、コウガ?」


「もちろん。今回のは食べないと損しますよ?」


賛同を求めるようにアルが言い、これは本当にうまくできたので私はそう言った。


今までのものは、それはそれはこの世のものとは思えないほど不味かったが。


「…………………」


ジルは訝しい顔をしていたが、アルが目をキラキラさせてジルがソレを食べるのを今か今かと待っているようだったので、しょーがねーから食ってやんよと、目を細めた。


「…………………」


あぁ、もうすごいこの疎外感。



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