あたしの旦那は保健医です!?

矢野の気持ち


「杏、もういいの?」

「うん、もう大丈夫!」

「矢野のなんか心配しすぎて、体育が終わってからすぐに保健室言ったんだからね」

「え?
来てないよ。
矢野、保健室来てないよね?」


もしかしたら、矢野だったの?
あの音は……─。


「さぁな」


「矢野……」

「おい、杏がボーッとしてたのはお前のこと考えてたんだよ!
お前が避けたりするから」

「あ、、ちょっと真莉!!」

「…─。」

「矢野?」



問いかけに応じない、矢野。


寂しいよ。

友達でも、涼でも、失うのが怖い。
お母さんみたいに消えちゃうんじゃないかって。







矢野があたし達の前を通るとき、あたしに紙を丸めて真莉にはわからないように渡してきた。

『放課後、西階段前のA準備室で待ってる』

と書いてあった。

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