ブラック王子に狙われて②


電話の向こうで彼が爆笑してる。

まさか、私から『行為のお誘い』をされたのかと思ったと。

まぁ、それ以前に、『必要不可欠な存在』というワードを

スマホで調べたみたいで。

どっちの方向でも嬉しいからと彼は言うけど、


いやいやいやいや……。

さすがに、あからさまに誘ったりしないよ!

それじゃなくても、拒否るのも躊躇するのに。


女性が男性に下着を贈る意味=必要不可欠な存在である、ということ。

毎日直接肌に触れるものだし

清潔に保つべきアイテムだからこそ、

その存在は『愛』を伝えるのにピッタリだと教わった。


彼にプレゼントしたのは、

彼が愛用してるメーカーのボクサーパンツ。

それが、ハート形に折り畳まれ、箱詰めされたもの。


「マジで誘われてるなら、どうやって応えようかと悩んでたんだけどっ」

「変な意味で捉えないで!電話切るよ?」

「あ、待って」

「……ん?」

「明日もデートしよ」

「えっ?!」

「お返しに下着買ってやるから」

「えっ、いいよっ!ってか、一緒に買いに行けないから!」

「何で?カップルで買いに行く人いるじゃん」

「っ/////」

「サイズの合わないの着けてると形崩れるらしいから」


新しい下着はともかくとして。

彼には伝えたかった。

この先もずっといたいということを。

そしてその為に、努力し続けると約束を。

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