ブラック王子に狙われて②


絢の母親がキラキラした瞳で俺に視線を向けて来る。

別にプロポーズとかじゃねぇけど。

気持ちはさほど変わらないというか。


ってか、高校2年の娘に彼氏がいたとしても

その彼氏が『引き取る』コールしてんのに

何で反対しねぇんだよ。

つーか、反応が真逆じゃん。


「じゃなきゃ、手出してないんで」

「ッ?!////////」

「あらっ、衝撃的発言♪まぁ、薄々勘づいてたけど♪」


普通なら、『何ですってーッ?!』的に怒って当然。

なのに、何、これ。

何プレイ??


殴られるの覚悟で暴露してんだけど。


まぁ、見れば分かりそうなもんだよな。

しょっちゅう見える所にキスマーク付けてたし。


俺の母親なんて、

『市村家に挨拶に行く覚悟は出来てるから』が口癖。


絢のことを凄く気に入ってて。

うちは息子2人で、娘がいないから

キッチンで並んで料理出来るのが夢だと言い始めて。

最近は夕食作りを2人で楽しそうにしてる。


「あ、あと、これだけは覚えておいて下さい。これからも小父さん以外で、絢を、他の男に1秒たりとも貸すつもりはないんで」

「はい。慧くんの気持ちはよ〜く分かりました。家庭教師の件は断っておきます」

「宜しくお願いします」

「こちらこそ、不束な娘ですが、末永く宜しくお願いします」

「え、ちょっ……ママっ!」

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