ブラック王子に狙われて②


この鉄壁なガードは、俺以外の奴に

常に発動しときゃあいいのに。

この話題になると、俺にもガードフル装備。


手を繋いで歩いてたのに

パッと離されたじゃねぇか。


自分で話題振ったから自業自得かもしんねぇけど。

いい加減、臍曲げるの止めて貰いたい。


ちょっと前の俺なら軽く苛めてたけど

最近はそれすらちょっと危険に感じてる。

だって、前はキーッと怒るだけだったのに

最近は速攻で涙を流すから……。


ほら、今にも泣きそうじゃん。

くりっとした大きな瞳に涙いっぱい溜めて。


俺の存在すら消すかのように

ズンズン歩く彼女の腕を掴んで引き寄せる。

周りに人がいようが気にしねぇ。

コイツが安心出来んなら、他に何も要らねぇだろ。


「機嫌直せって」

「別に機嫌悪くないし」

「臍曲げてんじゃん」

「曲げてないよ」


ぷくっと膨れる頬が視界に入る。

そういう顔ですら可愛すぎ。

俺がぎゅっと抱き締めたからなのか、

背中に手を回して抱き締め返して来た。


……ん?

………アレ??


なんか、いつもと感触が違うような……?

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