ブラック王子に狙われて②


17時過ぎに戻ると、既に夕食の準備がほぼ終わっていた。

ケータリングを手配してあったみたいで、

庭に豪華なBBQセットが用意されている。

ユウとユウの彼女は昼寝してるらしくて

俺と絢は早速買って来たグラスを使う為にキッチンへと。


「わぁ、綺麗なグラスね」

「ありがとうございます。千穂さん達もお土産にどうですか?」

「瑛太~、私もこういうの欲しい~~」


絢がお土産に勧めたら、千穂さん旦那さんにおねだりしてる。

ってか、呼び捨てだ。

なんかいいな、呼び捨て。

距離がぐっと近い気がする。


俺と絢の間には、ちょっとした壁がある。

俺が最初から壁を作るみたいに苛めたのが原因なんだけど。

今思うと、結構後悔してて。

ライトな感じの苛めでも、

絢はすぐに怯えて距離を取ろうとする。


俺のこの性格がそうさせてるんだろうけど。

もっとぐいぐい来てくれても、全然構わないのに。

絢はいつだって躊躇して距離取って、少し様子を窺うんだよな。

それが、傷つくこともある。

< 73 / 288 >

この作品をシェア

pagetop