溺愛ごっこ
「……久世?

――ッ!」

突然ふさがれたぬくもりに、頭がついて行けなかった。

あたし…。

「――んっ…!」

久世に、キスされてる?

待って…!

彼氏いるのに…。

唇が離れた。

コーヒー色の瞳が見つめる。

「俺だったら、そんなことしねーよ」

「…えっ?」

「亜美ちゃんに、つらい思いなんかさせねーよ」

久世からのキスを受ける。

あたしは、黙ってそれを受け入れた。
< 7 / 65 >

この作品をシェア

pagetop