愛、複雑。
第一章 幼い君と私

「好きです」

ほら
あの子が、あいつに__


大島なつき、かなりショック。

今...
村野菜月が、私の好きなあいつに告った。


私は「大島なつき」こと、優子。
私の名前らしきものは1ミリもないあだ名だけど、これには意味がある。
私の苗字は大島。下の名前はなつき。
そして、〝あの人〟が大大大大大好きである。
だからいつの間にか「優子」というあだ名がついていた。

村野菜月__
通称、なっちゃん。
いかにも女の子で、清楚で、髪も長くて、指も足も細くて、
得意なことはフルートを吹くこと。

休み時間にクラスメイトとドッヂボールを楽しんでいるような私とは、
どこから見ても正反対だった。

スポーツが好きで、ついでにアイドルが大好きで、
いつも半袖短パンで友達と遊んでばっかな私となっちゃんは対照的。

それでも、好きな人はいた。

池田純って言って...
いつも一緒にドッヂボールをする仲間でもあって、
人をまとめたり先頭に立ったりするのが得意なリーダーシップのある人。

なっちゃんより、私の方が純とは仲が良かった。

でも私が、なっちゃんに叶うはずもなかった。

そう__
思ってた。だけ。
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