赤い月 参
隣には、縛り上げられたままの祥子を肩に担いだ薫が、
「思ってたより人数少ねぇし、前田連れて先に離脱するわ。」
「この辺抜けるまでの逃走経路。」
「確保する。結界は?」
「アリじゃね?」
よくわからないキーワードが含まれた会話を、やけに手慣れた感じで景時と交わし、さっさと裏口から店を出て行く。
「高杉… 小山まで…
なんで…?」
「いつまでヘバってンの。
コイツらノしたら、サクっと逃げンぞ?」
激変する状況を飲み込めない大吾に、景時はいつものようにヘラっと笑った。