赤い月 参

気の毒な景時を置き去りに、月明かりの下、話はどんどん進んでいた。

蒼龍は水原はおろか、誰とも契約など交わしていない。

それ以前に、もう数百年地上に降りていなかった。

この島は彼の縄張りなので、他の龍が入り込んで妙なことをしていればすぐに察知できるし、その気配は全くなかった。

供物にオニなんか真っ平。
キレイで優しい、姫みたいな女の子がイイ。

…お前の趣味はどうでもイイ。

要するに、数体のオニの保管場所に、ドラゴンは全く関与していないという結論だ。

だが…

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