揺れる水面 映る月影は何処から
そこには――。
『私達は男の子が欲しかった。私達にはこの子を育てられない。名前は【妃絽】です。よろしくお願いします。 望月』
と綺麗な字で書かれていた。
妃絽は手紙を床に落とすと、身体を折り曲げながら笑い狂った。
「私はいらない子供か…。だったら、最初から産まないで欲しかったよ…」
涙を流しながら自嘲気味に笑うと、妃絽は部屋を飛び出した。
慌てて夏樹がその後を追う。
追った先にたどり着いたのは屋上。
妃絽は柵を飛び越え、今にも飛び降りようとしていた。