揺れる水面 映る月影は何処から
すると、笑っていた妃絽の顔が真っ青になった。
「どうしたんや、妃絽?」
「足が痛い…」
妃絽は涙目になりながら、山崎に訴えた。
重荷がなくなったのかせいか、急に痛みが出て来たらしい。
痛みが出て、当たり前だ。
土方に突っ掛かる際、塞がっていた傷が開いてしまったのだから。
そんな妃絽を見て、室内は笑い声に包まれた。
その後、妃絽は二回目の縫合を山崎から受け、半泣きになっていた。