最近なじみました。
「な、なんでそれをっ」
「千鶴、分かりやすすぎ」
そして彼は笑いながら言った。
―――まぁ俺、千鶴の事なら何でも分かるから
と、
笑いながらも、真っ直ぐに見つめてくる茶色掛かったその瞳に思わず吸い込まれてしまいそうなくらい、
彼は、竜騎はカッコいい。
「な、に言ってるの」
その空気を上手くかわす方法をあたしは知らなくて、
とにかく笑って誤魔化した。
そんなあたしを、竜騎は真顔で見つめて…――
「ばか千鶴、行くぞ」
そしてあたしの手をいきなり掴んで、また通りに引っ張り出した。
半歩前を歩く竜騎の背中は、記憶の隅っこにある小さい頃に見たものよりも広く、大きく感じた。