ブラックコーヒー

■体が求めてる

年が明けて、高校生が3学期の始まりを迎えた頃。

俺は、封筒を目の前に呆然としていた。



「と…ま…。」



『…君は、何が欲しいんだ…?』

『…温もりと、安心。愛が添えてあると…嬉しかったかもね。』



そう答えたときの彼女の表情が頭から離れなくて…。



「斗真!」

「あー…一樹か…。」

「なんだよそれー、さっきから呼んでたのに!」

「で、なんだよ?」

「それはこっちの台詞だっつの。なんでお前は俺の家にいて辛気臭ぇ顔してんだよ!」

「……。」



そういえば、ここは一樹の家だった。
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