ブラックコーヒー
「んー…。」



話したがらないのに俺から聞いてもいいのか…?



「今までにも話そうとしたことは何度もあったみたいだけど。」

「…そうなのか?」

「でもそのたびに何かしらあって後回しになってたみたいだよ。」



そういえば、思い当たる節もいくつかある。

そのたびに仕事で忙しいと投げてしまったのは俺だ。


前に一樹と揉めたときも…何か話そうとした美由里を、俺は別れ話と恐れて遠ざけた。



「思い当たることあるみたいだな…?」

「あぁ…。」



そのとき、タイミング悪くケータイが鳴り出した。
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