ブラックコーヒー

□コーヒーはちょっぴり甘めに

「斗真ー、起きてー!」



部屋のドアを開けて斗真を呼ぶと、斗真は布団の中でモゾモゾと動いた。



「起きてよーっ。」



布団をはぐると、斗真はやっと起き上がった。

髪についた寝癖がなんとも可愛い。



「ほら、仕事遅れるよ! 私も学校遅れちゃうーっ。」

「んんー、分かったから。うるさい。」

「…ひどくない?」



最近の斗真はなんだかひどい。
扱いが明らかに雑になってきた。



「一樹さんが迎え来るよ!」

「キモ…。」



そんな斗真を放置してご飯の支度にかかった。

あれから4年…私は大学3年生、斗真は29歳になっていた。
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