ブラックコーヒー
…あれ?
もしかしてさ、この子…。



「帰ろっか。」

「え? 返事とかって…もらえないんですか?」

「うん、なんか迷い中。」




一途で、癒し系で…一緒にいて安心できる子。
この子もそういう部類に入るのかも。

まあ、少し暴走癖あるみたいだけどね。



「期待してもいいってことですか?」

「さあね。」



そう笑うと、渡部ちゃんは頬をむくれさせた。



「期待しますよ。」

「いいけど、俺女癖悪いよ?」

「わ、私が直して見せます!」



そう意気込む彼女が急に可愛く思えたりして。

でも、好きなんて、可愛いなんて、絶対言ってやらない。


やっぱり、俺はSなのかもしれない。

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