秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~

好きだよ

「今日は学校休みなさいよ!」

「なんで?」

ぼくは、登校を阻止されて、

憮然としていた。


「今日はとにかく家にいなさいよね。

 すぐ無茶するから。

 熱だってあるんだし、何よりその指痛いでしょ?」


「平気だって!

 医者だってたいしたことないって言ってたじゃん。」


「一日は安静にしろとも言ってたよね?

 わかってる、玉山学園のコンクールもうすぐでしょ?」


「わかってるよ、曲だって仕上がってるし、大丈夫だよ。」


「なら、今日は弾かないでよ、ゲームもダメだから、

 PCも使っていいのはマウスだけだから!。」


母さんは、最近ピリピリしている。


玉山学園のコンクールは優勝すれば、

音楽の奨学生になれる。


留学とかCDの道も開ける。


普通のサラリーマンの我が家では、

この先ぼくがピアノを続けて行くには経済的な限界がある。


その為、母はこのコンク-ルにかけている。

気持ちはわかるけど、

ピアノ以外のことも、僕には大切なことはたくさんあるんだ。

母さんにはそのへんがどうにも理解できないらしいけど、


今、優先順位を付けるとしたら、

ピアノじゃあないんだよ。


切実なんだ。

千葉日会える日は残り少ないんだし、あ、

まあ、振られたんだけどさ。


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