秘密だよ?~ピアノとバスケそして君~
「は?」

玄関の前に立っていたのは、千葉だった。

呼び鈴が鳴り、ドアを開けた俺は、

夢かな?妄想かなとマジで思った。


「なんで?なんで千葉がいんの?」


「だって、休むから。」

千葉は俯いたまま、プリントの入ったらしき封筒を、

ぎゅうぎゅう押し付けながら、

真っ赤になって、ぼそぼそっとつぶやいた。


母さんがニヤニヤしながら後ろから、


「上がってもらったら?」


なんて言う。


くそ~何か弱み見せた気分だ。


「どうぞ。」


といったけど、


千葉はブンブンと首を振り、


「元気ならいいの。じゃあっ」


って、慌てて帰ろうとするから必死で腕掴んだ。


「寄ってけって。お茶ぐらい飲んでいけよ。」


千葉はさっきよりさらにもっと真っ赤な顔して


でも、コクりと頷いた。



一人で家まで来るなんて、

よっぽど勇気がいったに違いない。



母さんに弱みを見せるのは悔しいけど、

このまま返すなんて男がすたるだろ?

と思いつつ、湧き上がる嬉しさは、

どうにも抑えきれない。


絶対にやけてる。


あれ?確か俺振られたんじゃないっけ?









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