お姫様の作り方
【だから隣で寝るんだよ】


「そしてそしてーお次は同じく3年の伊原美森さん、相馬樹くん!
仮装は眠り姫とその王子ですね!ピンクのドレスが本当によくお似合いです。それに長い髪もまさに物語から出てきたようです!」


スポットライトが白星たちから俺の方に移る。
…あのナチュラル王子とは違って、俺はこういうことには慣れていないし、そもそも美森だって…。


「樹ー…眠い…。」

「だよなー…お前、食い過ぎてるし眠くなる頃だと思ったんだよ。
つーかなんでこれに出ようって思ったわけ?」

「だってー最後の文化祭だし…樹となるべく一緒にいたかったんだもん。」


そう言いながら目をこする美森。
…せっかく誰かにやってもらった化粧もんなことしたら下手に落ちるだろうが…。


それに、…やっぱり美森は突然爆弾を投下してくるところは変わらずに、今も俺に爆弾を落としていく。
何を言っても、何をやっても、どれだけ振り回されようとも可愛いと思ってしまう程度には病気なんだ。病気になったまま、症状だけ悪化して、進行している。


…そのことには、ちゃんと自覚的だ。


「ん…?」


美森が俺に少しだけもたれかかる。
…これは美森的にはかなり限界のサイン。


「教室に戻るぞ、美森。」

「え?」

「着替えて帰る。」

「えー。」

「ちゃんとお前んち行くし。お前眠るまで、…いるから。」

「…うん。」

< 195 / 200 >

この作品をシェア

pagetop