お姫様の作り方
【自由になれないはずがない】


「さー!ここまでで半分を紹介し終えました!
お次も外部からのカップルですね。えっとお名前は…おや、これはまさか虎南…おっとまぁそれは関係ないですね。
虎南茉莉花さんと2年、空路由貴くんのカップルです!
仮装は…アラジンと魔法のランプのようですね。でも空路くんは王子様というよりはボロ服…?一方茉莉花さんは育ちの良さがキラリと光る着こなしです!」


由貴のお兄様からスポットライトが離れ、今度は私達にその光が注がれる。


「…これ、眩しいわね。思っていたよりもずっと。
それにどこから私の名前を入手したのかしら?」

「えーあーそれは俺が言ったからだよ。」

「なっ…なんで無断で!?」

「え、だって俺の彼女、こんなに可愛いんだぞーって自慢したくて。」

「っ…!」


…顔が熱くなる。半分はスポットライトのせいだけれど、もう半分は明らかに由貴のせいだ。


「お、赤くなった。茉莉花ってやっぱ分かりやすい。」

「わ、分かってるならそういうこと言わないで!」

「なんでだよ?赤くしたいから言うんだろ?」

「ば、バカじゃないの!」

「冷てーな。つーかやーっと茉莉花との時間だから、そういう顔させたいんだよ。
文化祭期間中はライブとか結構色々あったし。」

「…ちゃんと見たわよ。聴きにいったわ。」

「分かってたよ。茉莉花、すぐ分かるし。」

「たくさんの人に、由貴の音はしっかり届いていたと思う。」

「サンキュ。…でもやっぱ、俺的にはそうやって言ってくれる茉莉花の言葉が一番好き。」

「…っ…好きとか…こういうとこで言わないでってば。」

「だから、照れた顔可愛くて見たいから言うんだって。」

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