ダイヤモンド
【第二話】 入学式    -湊-


俺は1年B組の教室を見つけた。
ちなみに四階…階段キツかった。
無造作に俺はB組のドアを開ける。
サッと冷めた視線が俺に向けられる。
まあ初対面だし…こんなもんだろ…とか思う。
前を見ると黒板には、

『席はとりあえず出席番号でお願いします』

の文字があった。
俺は37番…一番校庭側の後ろから三番目だ。
けっこういい席だな…後ろから三番目か。しかも端っこだし。
クラスは全員で40人くらいらしい。たぶん。
俺は自分の席に座る。

「おい!」

…後ろから声がしたような…。
いや、もしかして俺じゃない?

「おいってば!!」

その瞬間、誰かが俺の肩を叩く。
俺だったみたいだ。

「俺は米崎蘭(よねざきらん)!よろしく!」
そう言って俺に笑いかける。

「…お前は?」
「俺は横山湊。」

聞かれた質問に実直に答える。

「ん、湊でいいか?」
「いいよ。」
「俺の事は蘭って呼べよな!」

そう言って俺に笑いかける。
蘭は髪の毛が少し長めで染めた感じではない自然な茶色い髪色をしていた。
ほんのちょっとしか話してないが悪い奴じゃないことは確かだ。
明るいし何か…いや、明るいでいいか。


すると教室のドアが勢い良く開いた。

「おはよーございまーす。」

入って来たのは何やら女性教師。
身長は高めでスラッとしている。

「今日からこのクラスの担任になる三沢桜(みさわさくら)だ。よろしく。」

女性教師…もとい、三沢先生はぶっきらぼうにそう言う。

「さて諸君、今日は入学式だ。眠いけど頑張れよ。今から廊下に出席番号に並んでくれ。」


*


体育館にて。

眠い…校長の話が長すぎる。
かれこれ10分以上は話している。
あ、校長の話終わった。

「続きまして…」

まだあんのかよ…俺は心の中で呟く。


*


どんなに面倒でも時は過ぎるものだ。
半寝の状態だったが入学式は何事もなく終わった。

そして教室へ帰る途中、蘭が俺に話しかける。

「なぁ…湊は部活決まってんの?」
「俺は野球やろうかなって。」
「ああ野球か!!中学校ん時は?」
「中学でも野球さやってた。小学生ん時に始めてからずっとだ。」

蘭は?、俺がそう問いかけると蘭は少し考え込む。
そして口を開いた。

「俺は…帰宅部とか?」
「さっきの間はなんだったんだよ!」

俺はツッコむ。そしてお互いに笑いあった。

「いや、ぶっちゃけ決まってなくてさ。何しようかなって。」
「中学では何かしてたのか?」
「…バスケ。」

蘭は短くそう答える。
さっきまで明るかった蘭の表情が一変してるのが分かった。

「そっか。お前もスポーツやってたんだ。俺と同じだな。」

さり気なく本題から逸らしてみる。


*


そのまま教室に戻り今日はそれで終わった。
帰りは蘭と帰り、途中から一人になった。

今日は蘭以外にも何人か友達ができたから良かった。

明日からは野球部の部活がある。



頑張らないとな…。

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