好き。

‐秋先生と私‐





「あ、若葉ちゃん!もうすぐ検診だからねー?気持ちは分かるけど、走らないようにしなさいよー?」

「はーい、分かってまーす!」



時刻は朝の10時。
溢れだす思いを抱えながら、私は“ある場所”へと急いでいた。



急ぐ、とはいったものの。
幼いときからの病は、相も変わらず私の行動を邪魔していたけど。


それでも、駆け出さずにはいられなかった。気持ちだけが前に進んで、その後を追いかけてくる足。



もどかしい、急げ急げ。







――――そして。



「秋先生!!」

「っ!?……はあ、」




扉を開けてすぐ、私は視界に映った人物へと抱きついた。
正しく言えば飛び込んだ、という方が当たっているけど。



「おかえり、秋先生!」

「“おかえり”じゃねーだろバカが!お前検診はどうした?ここまで走ってきてねぇだろうな?それと今は会議中だ見りゃ分かるだろーが」

「…、」



まくし立てるように言ってくる秋先生の言葉に思わずたじろぐ、けど…
けど!!今日はそんなの聞こえない。否、耳が拒絶反応を起こしてる。



「だ、だってあれから3年ですよ!?急にいなくなっちゃうし、雄大先生に聞いても“教えられない”の一言だし。そ、それが昨日研修医の名簿見たら秋先生の名前のって……っゲホッ」

「っ、若葉!?」



急に咳き込んだ私の元へ、秋先生は血相を変えて駆け寄ってくる。



「大丈夫か?」



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