愛しの黒ライオン



正直、獅子さんの顔もまともに見れなかった。

「家まで、送るって言っただろ」

このまま獅子さんと一緒に居たら窒息しちゃう。

「いいです...」

熱くなった顔を下に向け繋いでいる手を解こうとした。

「黙れ...家は何処なんだ?」

繋いでいる手は、一向に離してくれなくて仕方なくドキドキとする心臓の音を抑えゆっくり歩いた。

このドキドキが獅子さんに伝わらないように。

「牡丹...」

ピタっと足を止める。

「お前...キス初めてだったのか?」

かぁっと顔が熱くなった。




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