愛しの黒ライオン

「あのタンスは叔父さんがお前の出産祝いだと言って贈ったモノだ大切にしろよ」


母さん、あのタンスを、いつも微笑んで愛おしそうに撫でていた。


ダレから貰ったの?って聞いても答えてくれなかったけど『大好きな人から貰ったんだよ』って言ってた。


私の目に映る母さんは、タンスじゃなくてタンスを持ってきてくれた人に恋してる、そんな感じに見えた。


兄としてなのか、それとも1人の人間としてなのか。


今になっては、本当の気持ちは分からないけど、もしかしたら叔父さんを愛していたのかもしれない。


なんだか胸がきゅんと来たような気がする。
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